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活用事例

株式会社ハーバーハウス様 代表取締役社長高橋和久氏


重要なのは「強みにフォーカス」すること。
創業時のチャレンジマインドを胸に、原点回復の経営を。

ハーバーハウスは店内で釣った魚をその場で食べられる「釣船茶屋ざうお」を中心に全国に27店舗の飲食店を経営する福岡出身の企業である。今回は、高橋和久社長に成果を上げるMSRの使い方と今後の取り組みについてお話をうかがった。

代表取締役社長高橋和久氏 MSRを導入した背景は?

うちは、お客様がお店に来て釣りをして新鮮な魚を味わって頂く居酒屋ですが、最初にMSRをトライアルで導入してみたときに、“気配り”の項目の点数が低かったのにショックを受けました。同じような業態は他にないので、どうしても釣りに頼ってしまうところがあったのですが、実際お客様からは「釣りができて楽しいけれど、従業員の気配りがなっていない」という評価が多く、これは改善しなくてはならないと感じて、以降その点を改善するために導入を続けています。

MSRを活用されるうえで気をつけられている点は?

釣船茶屋ざうお

 かつてはMSRを読んで問題点ばかり探していました。ざうおでは、常に「提供時間が遅いこと」と「呼んでも来ない」の2つが言われていました。店舗が広いのでお客様に呼ばれたら、そこまで80メートルをダッシュしないといけなかったり、釣った後に調理をするので、ピークタイム時には魚を何本も同時に捌かなくてはならず、どうしてもお伺いが遅くなっていたんです。ですので、その2つをテーマにして改善運動を取り組みました。しかし、なかなか成果が上がりませんでした。点数の高い時と低い時のギャップが相変わらず大きかったですね。
 ただ、その2つの問題点は点数の低い時だけでなく、高い時にも書かれていたんです。どういうことかとよく読むと、点数の高い時には3つの点がきちんとできていることが分かりました。「システムの説明が分かりやすいこと」「釣ったときに一緒に喜んであげること」「魚の名前と釣り方、食べ方がわかること」です。新しいシステムに不安を持つお客様が多いので最初にわかりやすく説明してあげて、魚を釣ったらすぐに「おめでとうございます!」と駆け寄って一本締めをすると非常に喜んで頂けるんです。それにお客様はお食事だけでなく水族館に近い感覚で店舗にいらっしゃいますので、きちんと魚について説明してあげると、非常に満足いただけます。この3つを満たしている時は非常に点数が高くて、満たしていないとかなり辛い評価を頂くことがわかったんです。これまでは自分たちの弱点を克服しようとして取り組んで、返って自分たちの強みであるお店の楽しみ方を伝えていなかったんですね。そのことに気付いてから、「なぜ点数が悪かったか」というようなマイナス面にフォーカスするのではなく「どうしたらもっと喜んで頂けるか」という強みにフォーカスするようにしています。

釣船茶屋ざうお

今の中心的な取り組みは

 現在は、LCAに依頼をして店長やアルバイト向けの研修会を開いています。もともと自社内にも「ハーバーカレッジ」という教育機関があって、部長や課長が講師しながら階層別に行っていましたが、内部では限界があり、新しい風が必要だと感じて今回取り入れました。LCAは参加型だから良いですね。研修を導入することによって、社内の風土も変わってきました。会議も活発に意見が出るようになったし、ディスカッションをするようになったり、いろんな意見を取り入れるようになったりしてきています。

今後の展開やテーマは?

釣船茶屋ざうお

 「釣り」からの脱却を図っていかないとといけないと思っています。この業態で大きく展開できて新しいチャンスも出てきましたが、一方で未だ釣りに頼りきっているところがあります。本当はもっと接客と料理で勝負できるはずなのですが、いつのまにか釣りで楽しんで頂くことに慣れて、それにすがってしまう。だから、さらに教育を進めて新しい業態にもチャレンジして行きたいです。そこでまず、ルールを撤廃して意見を尊重するようにしました。今回のような研修を導入したり、会議の体質を変えたりして意見を出せる場を増やしました。また、部門横断組織を作って他部署との交流も増やしています。現在、それに賛同してくれるメンバーも増えて、風土が活性化してきたと感じます。人が10考えて1つしか行動しないなら、自分たちは5つしか思いつかなくても5つ全て実行しようというのが私たちの合言葉です。原点であるチャレンジ精神を復活させて、規模ではなく従業員の幸せやお客様の喜びを追求できる、そういう企業でありたいと考えています。
 また、食文化の底上げをしたいと思っていますね。ざうおというのは、新鮮な魚を安く食べられるお店です。そういうお店があると、その地域の食文化が変わると思うんです。今うちでは例えば伊勢海老の活け造りを出していますが、今の値段でそれが食べられるお店は無かったんです。私たちがそれを提供することで新しい食文化が根付いていく、少し大げさかも知れませんが、そんな風に思うと、飲食業の重さを感じます。食文化の底上げに貢献したいと考えています。

釣船茶屋ざうお

文化に対する“食”の位置づけとは?

 そうですね、自分を表現できる集大成の場じゃないかと思います。例えばきちんとしたディナーに行くときは、その雰囲気にあわせた格好をして、見合った会話をしますよね。本物の素材を知っておかないといけないし、マナーや気遣いもできないといけない。だからこそ逆に自分自身の人間性をめいっぱい表現できる舞台がそこにあると思います。普段の生活の中で広げてきた知識・教養、自分が持っている文化を具現化できる高い位置にあるのが、食文化だと思います。

社長の夢を教えてください。

 “夢”はありません。場合によって定義も違うでしょうが、自分には”目標“しかないと思っています。目標は、EISとCISが高まった状態で、スタッフ間がお互いにこのハーバーハウスという場所で切磋琢磨しながら成長できて、本当に誇りを持って働ける空間を作ること。今目指すのは規模じゃなく、お互いがお互いを高めあえるような空間を作ることです。単純に店舗のことに関することではなくて、人間として、文化レベルでもそんな関係ができたらいいなと思います。

釣船茶屋ざうお■今回インタビューさせていただいた
株式会社ハ−バ−ハウスに関しまして
本社所在地
福岡市博多区博多駅南6丁目6番33号
TEL:092-481-7449